令和8年篠栗町議会第1回定例会施政方針

本日、令和8年第1回定例会を招集いたしましたところ、公私ともご多忙のなか、ご出席賜り誠にありがとうございます。


篠栗町では、現在都市圏16の市町と歩調を合わせて渇水対策本部を設置し、役場の外壁に懸垂幕を掲げ、さまざまなツールで町民の皆さまに節水を呼びかけているところです。そうしたなか一昨日の昼過ぎから昨日午前中まで待望の雨が降りました。現在のところ、鳴淵ダムの水位は降雨前に比べて0.6%程度水位が上昇し、満水時に対し50.5%となっております。しかしながら筑後川水系のダムは10%を切る状況が続いておりますので、今後も予断を許さない状況です。3月のまとまった雨が待たれるところです。


まず議員の皆さまに対しまして改めて私からお詫びを申し上げます。
オアシス篠栗の温浴施設の廃止に関する案件でございます。
2月20日に篠栗町のホームページにも私の本件に関する総括的報告を掲載いたしましたが、この案件は、1年間役場内でしっかり協議し、温浴施設などの廃止やむなしとの判断から令和7年9月議会に条例改正の提案をしたものでありますが、その際、「篠栗町総合保健福祉センター」であるオアシス篠栗について、今後の果たすべき役目を明確にしなかったことは大いに反省すべき点です。
行政側の早急なオアシス篠栗の温浴施設・トレーニングルームの廃止を盛り込んだリニューアル案が高齢者の皆さまの居場所をなくしてしまうと受け取られ、町民の皆さまからも篠栗町総合保健福祉センターとしての役目をないがしろにするのかと大きなお叱りを受けました。
令和7年9月議会でのご指摘とその後いただいたご意見も踏まえ、温浴施設は廃止しますが、高齢者の憩いの場としての施設の役目を果たすことのできるよう、併せて子育て世代の皆さまがこどもたちと一緒に集い、過ごすことのできるような場所にリニューアルすることが望ましいと判断しました。
施設を建設し、新規事業を行う場合とは違い、施設を廃止し、一つの事業を閉じる際は、慎重の上に慎重に審議し、説明し、議会や町民の皆さまのご理解をいただいて「ならばしかたのないことだ」との判断の上に行わなければならないと大いに反省するところでございます。
今後も施設の用途廃止や変更が続きます。今回の件を反省材料として、町民の皆さま第一に説明責任を全うして進めてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。この度のことで、町民の皆さまに混乱を与えましたことに改めてお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。


さて、国におきましては、2月18日に特別国会が召集され、第2次高市内閣が発足いたしました。
2月20日の施政方針演説においては、「責任ある積極財政」の考え方のもと、危機管理投資や成長投資を推進し、国内産業基盤の強化やエネルギー政策の再構築、デジタル化の加速などを通じて持続的な経済成長をめざす方針が示されました。併せて、物価高騰対策や税制のあり方についても検討を進めるとされており、制度改正の内容によっては、国と地方を通じた税財政制度に影響が及ぶことも想定されます。
特に地方財政の観点からは、税制改正や経済対策の内容によって、地方交付税や国庫補助制度のあり方、さらには地方税収の動向に変化が生じる可能性があります。成長政策が地域経済の活性化につながることは期待される一方で、財源配分の見直しが行われる場合には、自治体の財政運営に直結する課題となります。
さらに、政府は複数年度を視野に入れた政策運営や基金の戦略的活用など、中長期的視点での財政運営にも言及しております。こうした国の動向は、地方自治体においても、単年度の収支均衡にとどまらず、中長期的な財政見通しに基づく計画的な財政運営を一層求めるものと受け止めております。


そのような国の動きのなかで、福岡県町村会では、2月27日に令和7年度定期総会が開催されます。 その際の決議案においては、「町村は住民に最も身近な行政主体として、住民が生活を営む為の多種多様なサービスの提供と国土・自然環境の保全、食料やエネルギーの供給、また水源かん養などの公益的機能に加え、わが国の伝統・文化の継承など人々の心のよりどころとしても重要な役割を担い続けている。(中略) しかしながら、国際情勢の不安定化や急激な気候変動が、経済活動や住民生活に大きな影響を及ぼし、町村においても、少子高齢化や人口減少、基幹産業である農林水産業の衰退、頻発する自然災害に加え、物価高や民間の賃上げなどに伴う人件費や委託費の増加など、多くの課題を抱えており、また、学校給食費の抜本的な負担軽減や減税、税制改正などの新たな制度、政策に対応しなければならないが、総じて税源に乏しく厳しい財政運営を余儀なくされている。このような中にあっても町村は、住民の生命、財産を守るため、防災、減災対策、国土強靭化のさらなる推進をはかり、災害からの復旧・復興の支援対策の充実に努め、安全・安心な暮らしの確保と地方創生による分散型国づくりを国とともに総力を上げて取り組んでいかなくてはならない。(中略)よって、町村が自主的・自律的にさまざまな施策を展開しうるよう、地方5団体等関係団体とも協調しながら、下記の事項の実現に総意を結集し、全力を尽くす決意である」として、

1.食料・エネルギー安全保障に対する国民の意識の醸成を図るとともに、自給率向上に向けた施策を強化すること

1.学校給食の抜本的な負担軽減にかかる財源については、国の責任において、今後の安定財源を確実に確保するとともに、中学校での実施についても早期に実現すること

1.地方分権改革を推進するとともに、「地方創生」や「デジタル田園都市国家構想」などの取り組みを検証し、人口減少の克服と東京一極集中を是正するための抜本的対策を講じること

1.減税による地方の減収に対する代替財源を含め、町村にとって最重要課題である地方交付税等の一般財源額を確保すること

1.税制改正にあたっては、地方税の充実確保と税源の偏在が小さく税収が安定的な地方税体系の構築を図るとともに、見直しに当たっては代替財源の確保を前提とすること

1.町村のデジタル化施策への支援を強化すること

1.地域から脱炭素化を推進すること

1.「関係人口」拡大と、「二地域住居」の推進を図るとともに、都市と農山漁村共創社会を実現すること

等15項目の決議がなされる予定です。


本町といたしましては、国の政策動向を的確に把握し、必要な財源確保に努めるとともに、制度変更に左右されにくい持続可能な財政構造を構築していく必要があると認識しております。その上で、さまざまな分野においてこれまで以上にきめ細やかに取り組みを進めていかなければなりません。
昨年までのように、分野ごと・課ごとの取り組みについては施政方針のなかでは詳細には申し述べませんがいくつかの重要な点についてお話いたします。
篠栗町として重点的に取り組むべき分野の一つが、防災・減災対策であります。近年、激甚化・頻発化する自然災害に的確に備えることは、いかなる政策環境の変化の中にあっても、自治体の最も基本的な責務であります。本町は、平成21年豪雨災害という大きな経験を有しておりますが、現在の職員の中には、その災害を直接経験していない者も少なくありません。だからこそ、当時の教訓を組織として確実に継承し、平時からの備えを徹底することが重要であります。住民の生命と財産を守るという自治体の使命を果たすため、防災・減災対策の充実に引き続き取り組んでまいります。


また、「ゼロカーボンシティささぐり」の実現に向け、令和7年度から公共施設におけるオンサイトPPA事業を本格始動いたしました。これは、脱炭素とエネルギー安全保障の両立をめざす国の方針とも軌を一にするものであり、環境負荷の低減と持続可能な地域づくりを進める取り組みであります。
子育て・教育分野におきましては、様々な新たな取り組みを行うための予算を計上しております。

1.公費医療助成の拡充として

こども医療の対象年齢15歳までを18歳まで拡大しております。これは、高校生の入院 自己負担なし、通院 500円/月とするものです。

2.子育て支援の充実として

第3子以降保育料無償化を実施します。これは保育所など(認可外を含む)に通う0~2歳児の第3子以降の保育料を無償化するものです。

3.小学校給食において物価高騰対策分も含め保護者負担なしとします。

4.柳池フサヱ教育地域振興基金を活用した「中学生海外派遣事業」を令和8年度から開始いたします。こどもたちが国際的な視野を広げ、将来の地域社会を支える人材として成長できるよう、継続的な支援を行ってまいります。

 

そうした時代のニーズに合った取り組みをする一方で、本町の財政状況に目を向けますと、社会保障関係経費の増加、公共施設の老朽化に伴う維持更新費の増大、さらには物価高騰の影響などにより、今後の財政環境は一層厳しさを増していくことが見込まれております。これまでも中長期的な財政見通しを踏まえ、歳出の抑制や事業の重点化を図りながら財政運営を行ってまいりました。また、行財政改革大綱に基づき、公共施設の見直しや組織の効率化などにも取り組んできたところであります。しかしながら、歳出構造の硬直化が進む一方で、公共施設の統廃合や総量の適正化については、利用者への影響や地域との調整といった課題もあり、十分に進んだとは言えない状況にあります。このような現状を踏まえますと、単年度ごとの収支調整にとどまるのではなく、町全体として経常的に発生している経費そのものを見直し、持続可能な行財政構造へと転換していくことが重要であります。経常的経費が高い水準で推移したままでは、将来世代に過度な負担を残すことになりかねません。今この段階で構造を見直すことこそが、将来にわたり町の機能を安定的に維持していくための責任ある判断であると考えております。宇美町が策定した40年間の方向性を見据えた「公共施設再配置計画」などを参考にしながら「篠栗町公共施設等総合管理計画(仮称)」で全体方針を明確にし、財政負担の軽減のみならず地域特性を活かした、施設サービスの向上もめざした計画を策定したいと考えております。
加えて、役場の開庁時間や公共施設の開館時間のあり方についても検討を進めてまいります。現在の施設数や規模を前提とするのではなく、利用実態や将来需要を踏まえ、統廃合や複合化を含めた最適配置に向けた再検討を行ってまいります。施設を維持すること自体を目的とするのではなく、町全体として必要な機能をいかに持続可能な形で確保するかという視点で判断してまいります。
これらの取り組みは、個別の対策ではなく、経常的経費全体を抑制するという共通の目的のもとで一体的に進めるものであります。これまでと同じ形でのサービス提供が難しくなる場面も想定されますが、将来急激な縮小を余儀なくされる事態を避けるためにも、今こそ計画的かつ段階的な構造改革を進める必要があります。
令和7年度に行った業務量調査を活かして、業務そのものを精査し、真に必要な行政サービスに重点化することで業務量を適正な水準へと見直してまいります。その上で、業務量に見合った人員体制への転換を進め、人件費を含む経常的経費の縮減を図るとともに、人財育成に努め、財政の健全性を確保してまいります。令和8年度には町長直轄のプロジェクトチームを立ち上げ、1年間かけて体制の見直しを図り、令和9年度から新組織・新体制で臨むことのできるよう進めたいと考えております。


本定例会では、令和8年度当初予算をはじめ、重要な案件を御審議いただくこととなります。限られた財源の中で、将来世代に責任を果たす持続可能な財政運営を実現するための予算編成を行ったところであります。
高市早苗内閣総理大臣は昨年10月24日新首相就任の際、所信表明演説の結びで聖徳太子の十七条憲法の第17条「事独り断(さだ)む可からず。必ず衆(もろとも)と与(とも)に宜しく論(あげつらう)う可し」の言葉を引用されました。政治とは一人で決するものではなく、広く議論を尽くし、共に判断していく営みであります。私も篠栗町の行政と議会を自治の両輪として尊重するとともに、町民の皆さまとの対話を重ねながら、篠栗町の将来にとって最善の選択を導き出してまいる覚悟でございます。
議員の皆さまにおかれましては、こうした基本的な方向性について御理解を賜りますとともに、慎重かつ建設的な御審議をお願い申し上げます。

(令和8年2月26日)

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