令和2年篠栗町議会第1回定例会挨拶 施政方針 ~篠栗町新時代に向けて(3年目)~

皆さんおはようございます。本日、令和2年第1回の定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。

それでは、令和2年度の施政方針についてしばらくお時間をいただき、述べたいと思いますが、まず議会の皆様と共有しておきたいことは、現在、日本中で猛威をふるっております「新型コロナウイルスによる肺炎」の感染拡大についてでございます。

安倍総理大臣は、2月27日夕刻開催された、新型コロナウイルスの対策本部会議を受けて同日午後7時過ぎ、「各地域で子どもたちへの感染拡大を防止する努力がなされているが、ここ1、2週間が極めて重要な時期だ」と述べたうえで、「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教職員が日常的に長時間集まることによる大規模な感染リスクにあらかじめ備えるため、3月2日から全国すべての小学校・中学校それに高校と特別支援学校について、春休みに入るまで臨時休業を行うよう要請する」との発表がなされました。

福岡県では、これまで福岡市において60代の夫婦二人の感染が発表されたのみでしたので、これ以上の感染拡大の危険性は少ないのではないかと私を含め、各市町村長も判断しておりましたが、昨日、北九州市で60代の男性の感染が確認されました。2月21日から発熱しているにもかかわらず、タクシー運転手として勤務し、持病のために病院にも行っていたということです。北九州市での新たな感染拡大が心配です。

2月27日の総理大臣の全国自治体への要請は、日本政府として今後の感染拡大への懸念を表明したものであり、文部科学省からの県教育委員会を通じての臨時休校要請に比べ、格段に重要度の高い発信であったと思っております。

自治体としては、単に学校関係での対応のみならず働き手世代に向けての、学童保育の対応について緊急に策を講じなければなりません。篠栗町においても、2月28日朝から、役場内での緊急対策本部会議、並行して町内校長会議を開催して、3月2日まで出校し、3月3日から3月24日までを休校とすることを決め、校長会においては、その期間の生徒・児童への対応を具体的に取り決め、役場対策本部においては、学童保育の長期休暇期間と同様の対応をするための関係機関との打ち合わせを行い、3月3日からのスタートに万全を期しているところでございます。今後新たな予算措置を行う必要が生じると思いますが、緊急の措置ということで、議会にお諮りするいとまがないケースが出ることも予想されます。何卒ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

2月29日の安倍総理大臣記者会見では、今回の国の要請についての理解を求め「首相として国民の命と暮らしを守る大きな責任を果たすため、先頭に立ってなすべきことは決断する。政治は結果責任と言ってきた。逃れるつもりはない。終息への道のりは予断を許さない。厳しい戦いが続くことは覚悟しないといけない。今から2週間程度、国内の感染拡大を阻止するため、あらゆる手段を尽くすべきだと判断した」と感染阻止に向けた決意を表明しました。すでに、プロ野球オープン戦の無観客での試合が実施され、大相撲春場所無観客開催も決定されました。各地のテーマパークや九州国立博物館をはじめとした公共の文化施設なども休館しております。篠栗町におきましても、感染拡大防止に向けてできる限りの対応をしてまいりますので、議会におかれましてもご理解とご協力、町民の皆様への発信をよろしくお願い申し上げます。

具体的には、小・中学校の卒業式については、式典の内容を簡素化し、来賓へのご案内も最小限にして行うこととしております。また、オアシス篠栗や町立図書館なども、一部休館、利用を制限いたします。3月にクリエイト篠栗大ホールにて開催予定でしたイベントは中止し、4月以降の春らんまんハイキングなどのイベントにつきましても、開催方法を検討いたします。

決して町民の皆様の不安をあおる訳ではありませんが、日々事態は推移しており、今後さらなる緊急事態が発生しないとも限りません。そうした場合に、役場の対策本部は国や福岡県の対策本部としっかりと連携しながら冷静かつ迅速な対応をしてまいります。

さて、昨年、平成から次の時代に変わろうとするこのとき、私たち地方自治体も大きな自主変革の時を迎える時と実感していると申し上げました。

2月28日に開催予定でした恒例の「福岡県町村会定期大会」は新型コロナウィルス感染予防のため中止となりましたが、事前の福岡県町村会理事会では、決議文を作成し、定期大会に諮ることにしておりました。

決議文では、これまでどおり、日本の原点である町村のあり方について

町村は住民に最も身近な行政主体として、住民が生活を営む基礎的サービスから多種多様なサービスの提供と国土・自然環境の保全、食料の安定供給や水資源の涵養等の公益的機能に加え、我が国の伝統・文化の継承など人々の心のよりどころとしても重要な役割を担い続けている。(中略)
我々町村長は、このような状況を踏まえ、相互の連携を一層強固なものとするとともに、自らの変革を厭うことなく不断の決意と揺るぎない信念を持って、直面する困難な課題に積極果敢に取り組み、自らが知恵を絞り、住民と一体となって地域特性や資源を活用した施策を展開し、豊かな住民生活と個性あふれる多様な地域づくりに邁進するとともに、安全・安心で活力と潤いのある町村の実現を目指すことができるよう行政基盤の強化を図ることが必要である。

として、「九州北部豪雨をはじめ、近年多発する記録的豪雨、地震等の自然災害からの復旧・復興への十分な財政支援と加速化を図るとともに、激甚化・広域化する自然災害に対し迅速かつ的確に対応できるよう、防災・減災対策、町村消防の充実強化を図ること」をはじめ17の具体的項目をあげて決議しました。昨年まで継続して掲げてきた項目に、町村自治の独自性を維持するため「新たな圏域行政は推進しないこと」という項目を追加しております。

また、今年度福岡県町村会から、篠栗町が、駅東側自由通路の新設や篠栗北地区産業団地事業の推進、住民による高齢者の通い場所づくり(おひさま活動)等の取り組みを評価され、優良町村表彰をいただきましたことを併せてご報告いたします。

篠栗町新時代に向けて

篠栗町地方創生=「篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の第一次計画期間が2019年度で終了し、2020年度からは次の総合戦略がスタートいたします。

共用開始1年を経過した「篠栗駅東側自由通路:ささぶりっじ」は、多くの町民の皆さんの喜びの声をいただいており、既に篠栗町のシンボルとして馴染み始めた感を持っております。「篠栗北地区産業団地整備」は2020年4月末の造成完了を目指して急ピッチで事業を進めております。再来年の春を産業団地のグランドオープンと定め、既に進出が決まった企業と打ち合わせを進めております。税収増加や雇用機会の増大と働き手世代人口の流入等による自主財源比率の向上を図るため、必ずや2060年の篠栗町人口ビジョン目標29,000人に向かって大きな力となると考えております。なお、造成完了後できるだけ早い機会に団地内道路の新たな町道認定を議会に上程し、篠栗北交差点の渋滞緩和のため共用を開始したいと考えております。

平成30年度からスタートした第6次総合計画「ささぐりみんなの羅針盤」と併せて、いよいよ2020年4月からの5か年計画で「第2期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」をスタートさせます。詳細な内容の説明は別の機会にいたしますが、引き続き国の人口ビジョンに沿った取り組み、即ち、「2060年の篠栗町人口ビジョン目標29,000人」に向けた人口の底上げを図りたいと考えております。

今年度も引き続き、篠栗町新時代に向けた様々な取り組みを全力で推進することとしておりますので何卒よろしくお願いいたします。

では、令和2年度事業について、課ごとで取り組もうとしているそのポイントを説明いたします。

1 議会費

まず、議会におかれましては、議会の活性化に向けたさまざまな取り組みに対し心から敬意を表します。タブレット端末による議会のペーパーレス化は、最近多くの自治体で追従する動きが進んでおります。

また、昨年の議員改選以降、新たなご意見も取り入れられて、議会活動の報告体制がまた一歩前進したなと一読者として感じます。特に町民の民様との対話をメインとした特集は、私も大変勉強になります。今後更に、町民の皆様に楽しみに読んでいただける議会広報を目指してご尽力いただくことを望んでおります。

2 総務費

総務費では、総務課、財政課、まちづくり課、会計課、税務課、収納課、住民課が関わっております。

総務課では、令和2年度から国の働き方改革の指針の下、会計年度任用職員制度の導入などにおいて人事制度を大きく改定する必要が生じました。幸い篠栗町においては、多くの部署で包括業務委託契約に基づく職員の派遣を受けておりましたので、手続き上の混乱を招くことはなく、スムーズに移行することができます。しかしながら、新制度による人件費の増加は否めない状況であり、今後はより効率的な人員配置を考え人件費の増加をできるだけ抑えていきたいと考えます。

昨年導入手続きを進めていましたトイレトレーラーの導入時期がいよいよ近づいてまいりました。クラウドファンディングでは、目標額800万円をほぼ達成することができましたことをご報告し、町内外の皆様にお礼を申し上げます。今後は、篠栗町のみならず地域の災害発生時の避難所支援や防災活動、イベントでの利用など積極的に活用してまいりたいと考えております。

次に財政課についてでございます。
財政課では中・長期の財政計画の素案策定を進めております。総合計画や都市計画マスタープラン、第2期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略に謳いこんだ様々な取り組みの実現過程で財政状況がどのように動いていくのか、しかるべき時に議会にもご報告いたしたいと考えます。

まちづくり課においては、「篠栗駅東側自由通路建設」が旧跨線橋の撤去も終わり事業の完成をみました。これから町民の財産として、長期間大事に利用したいものです。

「篠栗北地区産業団地整備事業」はいよいよ造成工事の完了を迎えます。工事の遅延からすべての区画において売買契約が完了してはおりませんが、進出意思のある企業に積極的にトップセールスをかけ、成約につなげたいと考えております。

ふるさと寄付金は平成31年度当初予算では、5,000千円としておりましたが、福岡県全市町村で対応可能な福岡県特産品指定返礼品のうち、辛子明太子、もつ鍋、豚骨ラーメンを加えたことから、寄附額が増加し、本定例会において15,000千円増額補正して35,000千円としました。令和2年度当初予算では、50,000千円として、ふるさと納税の更なる増額を目指します。また、昨年1年かけて審議会において策定し、只今パブリックコメントを実施中の第2期「篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」をスタートさせます。

会計課におきましては、出納事務のOA化を推進し、事務処理の短縮と確実性の向上を図り、事務ミスを起こさない体制づくりを更に強化いたします。

税務課・収納課につきましてはこれまでどおり税の適正かつ公正な課税を目指すとともに電子マネーによる納税等をスタートさせることで、引き続き徴収率向上への取り組みを推進してまいります。

住民課でございます。

昨年11月2日からスタートした住居表示の実施につきましては、初年度ということで心配も致しましたが大きなトラブルもなく順調に滑り出しました。令和2年度は中町区を中心に実施してまいります。

3 民生費・衛生費

民生費、衛生費では福祉課、健康課、都市整備課環境係が所管しております。

福祉課におきましては、増加する高齢者のための介護予防事業につきまして、より効果の期待できる事業を取り入れ継続的に見直しを図ってまいります。天空会館の空調につきましては令和元年度予算措置をしておりましたが、実施を見送っております。もうしばらく空調の稼働状況をみながら運営してまいります。

次に、健康課について申し上げます。母子保健事業・成人保健事業とも、令和2年度も継続して事業を行うとともに健診等を更に充実いたします。本年度から胃カメラ健診を実施します。これは50歳以上の偶数年齢の住民を対象に粕屋医師会と連携して実施するもので、胃がんの早期発見に役立つものと期待しております。また、令和2年度はオアシス篠栗の空調設備を全面的に更新すべく予算計上しております。

都市整備課環境係が所管しておりますクリーンパークについては、昨年度から次期処理施設移行のための具体的な計画作成と関係自治体・地域への説明、協議をスタートいたしましたが、須恵町・粕屋町と連携を取りながら遅滞なく計画を進めてまいります。

4 農林水産業費・商工費

次に、農林水産業費・商工費の所管であります産業観光課の取り組みについて申し上げます。

設立7年目を迎える一般社団法人篠栗町観光協会は、篠栗町の観光キーステーションとしての役割を担ってもらう組織であります。観光協会では令和2年1月に事務局運営の民間への移行のプロポーザルを実施し、本年4月からの委託が決定いたしました。

平成22年9月にグランドオープンいたしました森林セラピー基地篠栗は今年度で10周年となります。今年は秋に実施しておりますセラピーウォーキングデーをウォーキング月間として、観光協会・森の風篠栗(森の案内人の会)と共同で複数のイベントを実施したいと考えております。

消費者行政については、福岡県消費者行政活性化基金事業を活用し、啓発活動、消費者生活相談業務の機能強化を推し進めてまいりました。平成27年4月に本町を含む5町共同で開設しました「かすや中南部広域消費生活センター」を拠点に、継続して相談者の対応に努めて参ります。

5 土木費

次に、都市整備課が所管しております土木費について述べます。令和2年度は、災害対策のための水路改修工事の継続をはじめ、側溝整備や道路維持補修など、例年どおりの取り組みを行うこととしております。
本年度も区からの要望を聞きながら優先順位を決めて実施いたします。

6 教育費

教育費は学校教育課、社会教育課、こども育成課が所管しております。

学校教育課においては国のGIGAスクール構想(これはSociety5.0時代を生きる子どもたちに求められる全国一律のICT環境整備)につきましては、国の方針に従い、遅れることのないよう対応してまいります。

社会教育課では、本年度は、クリエイト篠栗の設備更新工事はございませんが、カブトの森公園に幼児向けの遊具を設置することとしております。

こども育成課では、夏休み期間などに開設する拡大放課後児童クラブの定員を拡大し、待機児童の低減を図るほか、小学生児童の放課後の過ごし方について、質の向上にも着目し、子育て支援施策を推進します。また、今後の町立幼稚園のあり方と保育所待機児童の解消に向けた検討をいたします。

令和3年度以降一部の園での保育施設としての併用を開始しながら、令和5年度から新しい町立幼稚園の体制で臨めるよう関係機関との協議を始めます。

7 上下水道費

上下水道課が所管しております水道事業において、令和2年度から、施設・管路更新の5か年計画を進めます。また老朽化している第1浄水場建て替えについて具体的な計画を策定することとしています。

 

以上、令和2年度の各課の主な取り組みについて説明いたしました。今年度の諸施策取り組みに当たっては、これまで同様、職員一丸となって努力してまいることをお約束いたします。

私自身も、これまでどおり、自らが率先して関係方面との折衝・対応に当たり、11月の任期満了まで町政発展の為に邁進する所存でございますので、議会におかれましても、引き続き篠栗町の発展のためご尽力賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

令和2年3月2日 篠栗町長 三浦 正

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