平成28年 第1回定例会挨拶(平成28年度施政方針)

皆さんおはようございます。
本日、平成28年第1回定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。2月末には思わぬ冷え込みと雪の荒れ模様の天気となりましたが、ここ2、3日は暖かい日和です。3月5日は篠栗の春の訪れを告げる霊場開きです。
さて、年明け早々の1月4日に第190回通常国会が開会いたしました。安倍内閣総理大臣は、1月22日に平成28年度の施政方針演説を、「未来へ挑戦する国会」という題名で行いました。
そのなかで、私たち市町村自治体に対して、地方創生に絡めてこのように発信しました。

(地方の創意工夫)
地方創生の原動力。それは、地方の皆さんの「情熱」であります。本年3月までにほぼ全ての自治体で、各地方の創生に向けた総合戦略が策定されます。自分たちの未来を、自分たちの創意工夫で切り拓く。地方の意欲的なチャレンジを、自由度の高い「地方創生交付金」によって応援します。

演説の最後に

安倍内閣は、諦めません。目標に向かって、諦めずに進んでいきます。
一億総活躍の未来を拓く。日本と世界の持続的な成長軌道を描く。平和で安定した、より良い世界を築く。安倍内閣は「挑戦」を続けてまいります。皆さん、共に「挑戦」しようではありませんか。そして、「結果」を出していこうではありませんか。(中略)経済の舵取りをどうするのか、国民の命と平和な暮らしをどのようにして守るのか。互いの政策を明らかにして、建設的な論戦を行おうではありませんか。民主主義の土俵である選挙制度の改革、国のかたちを決める憲法改正。国民から負託を受けた、私たち国会議員は、正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく。その責任を果たしていこうではありませんか。

と結びました。

毎年明けの通常国会における首相の施政方針演説は、その年の日本の方向性を示す大変重要な国のトップの発信でありますが、今年は例年になくヤジの横行する、波乱を予感させられる演説だったように思います。しかしながら、内政、外交ともに力強く行動する安倍政権との印象を受けました。

2月29日に開催された「福岡県町村会定期大会」においては、

我々町村長は、相互の連携を一層強固なものとするとともに、自らの変革を厭う(いとう)ことなく不断の決意とゆるぎない信念を持って、直面する困難な課題に積極果敢に取り組み、自らが知恵を絞り、住民と一体となって策定した「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」に基づき、持続可能な地域社会づくりに邁進するとともに、安全・安心で活力と潤いのある町村の実現を目指すことができるよう行政基盤の強化を図ることが必要である。

と決議しました。

(篠栗町自立宣言)
篠栗町の地方創生の取り組みをスタートして2年目に入ります。私は、広報ささぐりに掲載した「年頭の辞」で今年は、「篠栗町自立宣言」と題して、

「篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の内容は、4つの重点項目と19の具体的な施策からなります。その施策にはそれぞれKPI(重要業績評価指標)を定めており、行政はじめ商工会・観光協会、民間企業やボランティア団体等まちづくりに関わる多くの町民の皆様の力で2019年度末まで(これからの4年3ヶ月)計画的に事業に取り組んでいくこととしております。これにより、2060年篠栗町の人口ビジョンを29,000人とする、新たなまちづくりに踏み出すための総合戦略です。一方で、この創生総合戦略には具体的目標として掲げておりませんが、これまでの長年の政策によって、元気な高齢者がこれからも住みやすさと幸福感を味わってもらえるよう、高齢者福祉政策を維持・継続していくことも重要な施策です。これらはある意味において、自治をしっかり確立していくという「篠栗町自立宣言」であろうかと思います。国が求める地方創生という政策でありつつも、町らしさをしっかりと形づくる、「地方ガバメントとしての自治」を確立するための新たなスタートであるという思いです。「自分たちの町のまちづくりは自分たちの手でという自治意識による行動とその結果の積み重ね」を信じて全町民の力を結集して頑張ってまいりましょう。

と記しました。


国、福岡県町村会、そしてわが町篠栗町。それぞれの言葉は「地方創生」という全国でスタートする大きな自治のうねりを捉えて、同じ波長で発信していると感じます。行政基盤の更なる強化、すなわち、自治体のさらなる自立が必要なときなのです。
そうした点を意識して平成28年度は、全体の事業計画を組みました。これまでのように地方交付税の額を期待できないなかで、基金を一部崩してでも住民福祉の向上という地方自治の本旨に沿った計画です。ただ、毎年基金を崩しながら、これからの高齢化社会での福祉の充実、子育て環境の充実を目指した事業を進めれば財源は枯渇します。将来のため、自主財源を少しでも多くするために、改定マスタープランによる都市計画の実現を急がなければなりません。まさにここ数年が踏ん張りどころなのです。

では、平成28年度事業について、課ごとで取り組もうとしているそのポイントを説明いたします。
1 議会費
まず、議会におかれましては、ここ数年の議会の活性化に向けたさまざまな取り組みに対し、心から敬意を表します。
平成27年議会第3回定例会において議員発議により決定され、新しく広報広聴委員会としての活動が始まったことは、地域に開かれた議会を目指すための実践として高く評価されるものと思っております。今後は広報広聴の範囲に留まらず議会全体の活動として広く町民の皆様との対話の場を設けていただき、地域を代表する先進的な
議会となられることを望みます。懸案の糟屋郡議長会から町長会に対して提案を受けております議員歳費の問題につきましては、引き続き私は議会の活性化につなげるため積極的に検討を進めるべきとの立場で発信してまいりたいと考えております。

2 総務費
総務費では、総務課、財政課、まちづくり課、会計課、税務課、住民課等が関わっております。

総務課では、包括業務委託を継続し、優秀な人材を安定的に確保に努めます。また、児童館の放課後児童クラブの対象拡大や、総合窓口業務の設置により包括対象業務を拡大いたします。防災に係わる新たな取り組みとして、福岡県が全県的にデジタル化による大容量送信と通信の複層化を目指し、防災・行政情報通信ネットワークを今後3年間で整備いたします。また、町施設の長寿命化計画を策定したことから、今後の財産管理を総務課に移すこととしております。

財政課では、平成26年度から進めております、会議の電子化、財務会計や人事管理・給与システムの電子化のスムーズな運営を図るとともに、入札における一部電子化をスタートいたします。

まちづくり課については、冒頭申しあげましたとおり、平成28年度は『篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略』の2年目となります。PDCAサイクルをしっかり機能させ、当初の目標を実現するとともに、優先順位を考慮して所期の目標を達成すべくしっかりと事務局としての役割を果たしてまいりたいと考えております。篠栗駅東側自由通路(仮称)整備事業につきましては、いよいよ本格設計、工事へと入ります。国の防災安全交付金をできるだけ取り入れることのできるよう関係各方面にお願いしながら平成30年度の事業完成を目指します。篠栗町北地区産業団地開発事業につきましては、平成28年1月28日付けで、オーダーメイド型の企業誘致を目指した開発プロジェクトを示した建設業界大手と協定を取り交わし、いよいよ具体的な動きが進み始めました。予定している5区画のうち、すでに3区画において食品系企業から進出を申し出ているとの報告を受けており、そのうちの2社は本社移転を考えているとのことです。公表できる段階になれば議会の皆様に詳細を事前にお知らせいたします。
平成28年度も協働のまちづくり事業補助金制度を継続いたします。一つひとつは小さな取り組みですが、平成27年度の実績のなかに、篠栗町吹奏楽団の有志の皆さんで演奏して町内コーラスグループ「ハーモニーマロン」の皆さんが歌った「篠栗町歌・ささぐり音頭」をCD化し、各区に配布されました。まさに自分たちの手作りのまちづくりがまた一つ形になりました。平成28年度も引き続き素晴らしいアイデアに基づく新たな事業が立ち上がるよう、町民の皆様への発信に努めます。
また、ふるさと寄附金制度につきましては、平成28年度から特典付きふるさと寄附金制度へと発展させます。他の自治体の取り組みにならい、お土産品を品揃えしていくことによる地場産業の活性化を図るとともに、観光協会の新規事業と位置づけて、徐々に制度を充実したものにしてまいりたいと考えております。

会計課におきましては、平成27年度に支出命令書の電子決裁を導入しましたが、各課の膨大な紙ベース資料を電子化することにより、事務の簡素化とスピードアップを図ることができました。今後は、監査委員への受検の精度を更に高めます。

税務関連におきましては、収納課を新設し、引き続き徴収率アップに向けて徴収業務のさらなる推進を目指します。平成25年度からスタートしました家計相談専門のファイナンシャルプランナーによる納税相談は、着実に成果を上げておりますので、引き続き業務委託を継続いたします。
税務課につきましてはこれまでどおり税の適正かつ公正な課税を目指し事務遂行をしてまいります。

住民課でございます。1月から総合発行業務を新設し、諸証明の受け取りを簡素化したことは住民サービスの向上につながったと好評でございます。住民課は、戸籍係、年金係、国民健康保険係、選挙係、高齢者・公費医療係を持ち、住民全体の総合的な窓口として多くの住民の皆様に関係の深い重要な課であります。今後もしっかり体制を整えて、町民の皆様に不自由をおかけしないよう努めてまいります。
国民健康保険につきまして、平成27年度の施政方針のなかで、平成30年に保険者が都道府県に移る予定と申しあげましたが、本年2月に開催されました市町村向けの説明会で、平成30年度から共同保険者となるとの説明を受けております。国も抜本的な改革の必要性を認識しており、今後とも進捗状況について遅滞なく報告してまいります。
また、新たに住居表示の実施に向けた取り組みをスタートいたします。まず平成28年度において基本計画を策定し、2年後をめどに、整う地域から順次表示変更を具体的に進めたいと考えております。

3 民生費・衛生費
民生費、衛生費では福祉課、健康課、こども育成課、都市整備課環境係が所管しております。

福祉課におきましては、平成28年1月に地域包括支援センターをオアシス篠栗から庁舎1階へと移し、他の福祉関連業務と一体化して取り組むことを可能にいたしました。住民の皆様にとっても大変便利が良くなったと好評でございます。平成28年度は、これからの篠栗町の高齢者支援の内容を地域住民が主体となって決めていく「協議体」を社会福祉協議会と一体となって作ります。協議体は、篠栗町の高齢者支援の方向を考え、高齢者が住み慣れた地域でずっと暮らしていけるよう地域にどのようなサービスが必要かを考え、従来からあるサービスを結びつけたり、新しいサービスを考えたりする住民主体の機関です。団塊世代が後期高齢者となる2025年問題を見据えた事業であります。

次に、健康課所管の各種政策について申し上げます。母子保健事業につきましては、妊娠期から子育ての各ステージで必要とされる支援を保健師が中心となって、医療機関等の関係機関と連携を取りながら進め、子育てしやすい、よりよい環境を目指します。各種検診や予防接種については、本年度も継続して事業を行うとともに、成人保健事業においては、病気を予防、重症化しないように特定健診・特定保健指導を徹底するとともに、糟屋地区慢性腎臓病(CKD)対策連携システムを有効に活用して、自覚症状のない時期から適切な医療・保健指導を行ってまいります。

こども育成課では、平成27年度から篠栗町子ども・子育て支援行動計画(平成27年度から5か年計画)を柱とする、子ども・子育て支援新制度がスタートしました。その計画に基づき、ファミリーサポートセンター事業に取り組みます。この事業は乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受けることを希望するものと当該援助を行うことを希望するものとの相互援助活動に関する連絡、調整を行うものです。
保育の充実と待機児童解消に向けての取り組みは、大変重要な課題であります。就労人口減少社会において、母親の労働力が見直されていることから、安心して母親が就労現場に復帰できるようにするため、平成28年度も重要課題として待機児童解消に向けた取り組みを継続してまいります。

都市整備課環境係が所管しております、クリーンパークの稼動延長につきましては地元協議もおおむね整い、平成28年度から稼動延長の条件となっております周辺整備を行います。そのなかで、懸案となっておりました、産業廃棄物中間処理施設の廃棄物撤去等の工事につきましても、稼動延長の整備条件であることから、須恵町外二ヶ町清掃施設組合に負担をお願いして工事を進めることとしております。

4 農林水産業費・商工費
次に、農林水産業費・商工費の所管であります産業観光課の取り組みについて申し上げます。
農業分野では、本年度も、耕作放棄地拡大防止対策として山間地域の農地にコンニャクを試験的に作付けする事業を継続して行います。
林業分野では、平成28年度も昨年度と同様、森林経営計画に基づく福岡県造林事業や福岡県荒廃森林再生事業、粗放竹林の再生を目指す緑の自然環境再生事業、また林道改良工事などで1億円を超える予算を計上しております。農林水産業費県補助金や立木売払収入などの財源を確保しながら継続して事業を進めてまいります。毎年申し上げておりますが、篠栗町は7割を山林で囲まれた景観豊かな町です。この素晴らしい環境を守るための重要な事業であり、林業関係費の歳出は不可欠であります。篠栗町を愛し、篠栗町に住む住民の皆さんの深い理解のもとに計上できるものであると考えます。
商工観光部門ですが、平成28年度も、「春らんまんハイキング」「森林セラピー基地イベント」「九州森林スポーツフェスタ」の3イベントは、商工会や観光協会などと連携し、新しい試みも取り入れながら引き続き開催いたします。
平成27年12月に改正労働安全衛生法が施行され、一定以上の従業員を有する企業においては、従業員のメンタルヘルスチェックが義務付けられることとなりました。企業の健保組合や労働組合、厚生会などが従業員のストレス緩和を目指した取り組みを積極的に取り入れる必要ができてきました。こうした取組みを実践する場として、森林セラピー基地の存在意義はますます高まろうとしております。全国60の森林セラピー基地がそれぞれの個性を発揮して、働き手世代のストレスを手軽に減少させることのできる森林セラピーの価値は今後確実に高まるものと感じております。
設立3年目を迎える一般社団法人篠栗町観光協会は、篠栗町の観光キーステーションとしての役割を担ってもらう組織であります。平成27年度はさらに新しい観光事業に着手するなど、運営努力を行っているところであります。平成28年度は、総務省の支援による地域おこし協力隊を1名採用し、篠栗町観光協会での地域ブランド化のために投入し、新しい視点で篠栗町観光資源の発掘に寄与してもらえればと考えております。

5 土木費
次に、都市整備課が所管しております土木費について述べます。平成28年度は、災害対策のための水路改修工事の継続をはじめ、側溝整備や道路維持補修など、例年どおりの取り組みを行うこととしております。また、懸案でございましたベンタナヒルズ区の健康広場を整備いたします。

6 教育費
教育費は学校教育課、社会教育課が所管しております。

学校教育課では、平成28年度も中学校の教室木質化事業に取り組みます。一昨年からスタートしたこのプロジェクトは、情緒の安定に効果のあるといわれる木質の温もりの中で篠栗の子どもたちに勉学に励んでいただきたいという思いと、一方で地域産材を有効利用することにより、もって伐採適齢時期となった篠栗の人工林を山から切り出し、伐採後は広葉樹を植栽し、種々の樹が四季折々の姿を見せるような自然を取り戻すための事業であります。平成27年度までは、この事業に森林整備加速化・林業再生事業補助金を受けることができました。しかしながら、平成28年度は一般財源での取り組みとなることから、中学校の木質化事業を終了した段階で、一時この事業は凍結し、新たな助成金の交付を受けられる場合、小学校の教室木質化を実施することといたします。
子どもが抱える心の問題、生活上の困難な問題を解決するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、不登校支援員の配置を継続いたします。また、引き続き町独自に各小中学校に学力向上支援員と特別支援教育充実のための支援員の配置を行います。併せて、適応指導、学習指導を行っている教育支援センターを改造した役場旧管理人室で行い、専門の先生による不登校児童・生徒を学校に復帰させる事業を継続して行います。

社会教育課では、体制を大きく転換した青少年健全育成推進協議会の活動と校区ごとの地域活動は、それぞれ特色を持って発展しつつあります。学校と児童・生徒、地域が一体となってこれからも篠栗町らしい発展を目指して進めたいと考えております。

7 上下水道費
上下水道課では、引き続き千代田団地内配水管更新を行います。この事業は5か年計画の最終年度の事業です。
また、流域関連公共下水事業会計において、事業に投資した資産負債状況を明らかにするため平成26年度から企業会計方式を導入しております。平成28年度は、現在の収支状況と将来の維持管理費予想を町民の皆様に詳細に説明し、平成29年度料金改定に向けた作業を開始いたします。
以上、それぞれの費目に応じた各課での平成28年度取り組みについて説明いたしました。

平成28年度の諸施策取り組みに当たっては、これまで同様、職員一丸となって粉骨砕身努力してまいることをお約束いたします。私自身もまた任期最後の年を悔いの残らぬよう町政発展のために邁進する所存でございますので、議会におかれましても、引き続き篠栗町の発展のためご尽力賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。


(平成28年3月3日)