平成27年 第3回定例会挨拶(諸情勢報告)


本日、平成27年第3回の定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。
今年の夏は、例年に増して暑さが厳しかったように思われますが、その一方で毎年心配しております集中豪雨による土砂災害もなく秋を迎えました。

台風15号が直撃した8月25日未明には大雨洪水警報の発令と同時に、「防災篠栗」から町内緊急放送を行い、注意を呼びかけましたが、幸いたいした被害もなく、午前11時15分に解除となりました。今のところ、今年夏の警報はこの1回だけであります。
9月は台風シーズンです。今後とも注意・警戒を怠らないよう努めてまいります。



議案の説明に入ります前に6月議会以降の諸情勢報告をいたします。 

 篠栗町「まち・ひと・しごと創生総合戦略」についてでございますが、昨日、第4回 篠栗町総合戦略審議会を開催いたしました。本審議会では、篠栗町が持つ課題の整理を進め、将来人口ビジョンを実現するための今後5年間の篠栗町創生総合戦略の年内策定に向けての大詰めの審議が進められております。10月にたたき台をつくり上げ、年内に福岡県・国に報告できるよう会議を進めてまいります。 

 7月に福岡県から、5月に制定された「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」の概要について説明を受けました。「持続可能な社会保険制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、(中略)国保をはじめとする医療保険制度の財政基盤の安定化、公平化、医療費適正化の推進、患者申出療養の創設等の措置を講ずる」として成立した今回の法律では、国民健康保険の安定化に向けて

○国保への財政支援の拡充により財政基盤を強化(27年度から約1,700億円、29年度以降は毎年3,400億円)
○平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営に中心的な役割を担い、制度を安定化する

との措置を講ずるものであります。

 詳細は今後、協議が進められますが、県と市町村が共同で国民健康保険制度を運営し、国が給付費に必要な費用を、全額、市町村に支払う(交付金の交付)とするもので、国民健康保険制度が抱える

○年齢が高く医療費水準が高い
○低所得者が多い
○小規模保険者多い 

 という構造的な課題を改善するための大きな改正であります。

 篠栗町におきましても、国民健康保険制度運営については、大変苦慮している状況であることから、ありがたい制度改正であります。今後、詳細な内容が決定されれば逐次報告いたします。



すでに広報ささぐり8月号にてご案内しておりますが、いよいよ10月からマイナンバー(個人番号)が通知されます。必要な方には、申請に基づいて平成28年1月から準備でき次第、個人番号カードを交付することになります。
この社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)は、国民一人ひとりの情報を適切に把握し、さまざまな機関に存在する情報が同一人の情報であることを確認するために導入される制度で、行政機関・地方公共団体での作業の効率化、手続きの簡素化による国民の利便性の向上、不正の防止等による公平・公正な社会の実現に資するための制度であります。
今後とも町民の皆さまの疑問・要望に正確に応えながら、制度のスムーズなスタートを目指したいと考えております。



去る8月31日に監査委員による定期監査報告を受けました。「予算は、おおむねその目的に沿って執行され、所期の成果を収めているものの、経常収支比率をはじめ諸指標は厳しい比率である。今後とも常に行財政改革を行い、自主財源の増加を図るとともに、一切の無駄を省く効率的な執行体制が求められる。職員の事務レベルについて、目標高く努力していることは認めるが、まだまだ些細なミスが目立っている。正確な事務に努めるよう期待する」とのご意見をいただきました。無駄を省いた効率的な業務の執行と事務のレベルの向上は、町民の皆さまに安心と安全を提供する私たちの重要な役目であると考えます。今後とも、さらなる適正事務の遂行に努めてまいります。



これまでの議会の諸情勢報告のなかでも紹介したことのある経済学の権威である神野直彦先生の近著『「人間国家」への改革』-参加保障型の福祉社会をつくる―(NHK BOOKS)は今後の日本社会を考えるうえで、大変重要な示唆に富んだ一冊でありました。
『人間の尊厳と魂の自立を可能にする政治・社会・経済体制はどう構築されうるか。経済学から民主主義を再考する。人を「手段」としない社会を取り戻す。』と帯に書かれたこの本に心に響く一節があります。
恐怖を煽(あお)る「地方消滅論」という項で
『「人口減少社会」という未来への予言の恐怖は、人口減少そのものよりも、2040年には896の地方自治体が消滅するという「地方消滅論」によって煽られているということができる。(中略)人間は人口ではない。人口ではない人間が、どうして人口になるのかと言えば、それは「人間の社会」が「人間を目的とする社会」から「人間を手段とする社会」を目指そうとするからである。つまり、人間を「労力・兵力」などという手段としてしか認識しなくなると、人間は人口と観念されてしまうのである。』
と主張しています。

地方創生では、篠栗町の将来の人口ビジョンを立てなければなりません。この人口ビジョンは、神野先生の主張するごとく、篠栗町における将来の「人間社会」を実現するための人口ビジョン、すなわち篠栗町に住むことで地域に溶け込み、地域が受け入れる心の広い社会の形成の中で生まれる将来人口ビジョンでなければならないと考えます。
そうした視点をもとに篠栗町創生総合戦略とともに一貫性をもって構築することこそ、篠栗町創生総合戦略策定においてぶれてはならない軸であると考えます。今後とも各方面におけるさらなる慎重な論議を期待します。

(平成27年9月8日)