平成25年 第4回定例会諸情勢報告


本日、平成25年第4回の定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。
提案理由をご説明する前に少しお時間をいただきまして、第3回定例会以降の諸情勢についてご報告申し上げます。

去る11月20日に毎年恒例の全国町村長大会が渋谷のNHKホールで開催されました。この大会では、毎年、地方自治の発展に向けた決議を採択し、国に対して要望活動を展開しております。
本年度は、決議の冒頭において、「町村の多くは農山漁村地域にあり、文化・伝統の継承はもとより食料の供給、水源かん養、自然環境の保全等、国民生活にとって極めて大きな役割を果たしてきた。このように国民共有のかけがえのない財産であり、日本人の『心のふるさと』である農山漁村を次世代に引き継いでいくことが我々の責務である。(中略)我々町村長は、相互の連携を一層強固なものとするとともに、直面する困難な課題に積極果敢に取り組み、地域特性や資源を活かした施策を展開しながら、豊かな住民生活と個性溢(あふ)れる多様な地域づくりに邁進(まいしん)する決意である」とし、「真の地方分権改革を強力に推進すること」「地方財政計画における歳出特別枠を堅持するとともに、地方交付税等の一般財源総額を確保すること」「農林漁業の振興による農山漁村の再生・活性化をはかること」など7項目の決議をいたしました。
その実現に向けて、平成26年度政府予算編成および各種政策の具体化に当たっての重点要望を決定しました。

また、平成20年、24年の全国町村長大会において、道州制への漠然としたイメージや期待感のみ先行し、国民の感覚から遊離していること、道州制の導入により市町村合併がさらに強制されれば、農山漁村の住民自治は衰退の一途をたどり、ひいては国の崩壊につながっていくことなどの問題点を指摘し、道州制の導入に反対する特別決議を採択しましたが、本年度においても、与党が「道州制基本法案」の国会提出を目指すとしているという状況のなかで、

「(前略)それぞれの地域には歴史、文化、慣習、伝統といった地域の特色があり、国土の多様な姿に見合った多彩な町村が存在することがこの国の活力の源泉であり、地方自治本来の姿であることを忘れてはならないとして、改めて全国町村会として『道州制基本法案』の国会提出と道州制の導入に断固として反対していく」

との大会特別決議を採択しました。
こうした全国の町村長の総意である町村長大会での決議も踏まえながら、篠栗町での今後の行政運営を進めてまいりたいと考えております。

私が尊敬する地方自治論の権威、大森彌先生は、雑誌ガバナンス12月号掲載の「閉塞状況を突破する首長の力」という小論のなかで、「地域における社会的包括のネットワークづくりのなかでこそ、公選独任の首長の持ち味を発揮できるところである」と述べておられます。
「地域には、無能な人、無用な人は一人もいない。人びとが、住み慣れた地域で最後まで暮らせるためには、できる限り本人の自立・自助を尊重し、その心身の力を損なうことのない包括的な支援が必要である。そのための実践的な互助・近助のネットワークづくりこそが地域経営者としての首長の責務である。公選独任の首長の強みは職員を動かすことによって自治体行政に一貫性とまとまりを作り出すことができることである。そのためには職員のワークライフバランスを考慮しつつ、希少な行政資源を最大限有効に活用できる人事管理とチーム編成の実現が求められている」との指摘であります。
肝に銘じて取り組んでまいる所存であります。

また、以前から九州大学工学部で都市計画がご専門の坂井猛教授と交流を持っておりましたが、先生の大学院の集中講義で篠栗町の今後の都市計画について研究され、1月8日に報告を受けることになっております。九州産業大学では、学生による自治体との連携を目指した「KSU(キク・シル・ウゴク)プロジェクト型教育」での協力申し出があっておりまして、町からも各課から持ち寄った提案事項を整理したうえで対応してまいる予定です。
このように地域の大学と交流を図りながら、学生の新鮮な目線でのまちづくりへの思いにも耳を傾けてまいりたいと考えております。

さて、3期目の最初の1年が経過しました。私は都会の雰囲気、田舎の趣を持った「ささぐりの新しい個性の創造」をめざして10項目の課題を挙げました。これらの諸項目については、年度毎に事業計画を立てて進めておりますので、平成25年度の終了時期であります平成26年第1回定例会におきまして進捗状況などを報告いたします。

昨年の第4回定例会の挨拶の結びに私は、「これまで取り組んできた『協働のまちづくり』から一歩前進して、自治の意識を心に強く持った『新しい公共』の概念に基づいた、職員と住民の皆さんの行動の積み重ねこそ、身の丈に合った持続可能な暮らしを実現できるまちづくりへとつながるのではないかと考えます」と申し上げました。
しかし、誠に申し訳ないことではありますが、自分自身「新しい公共」という言葉にこめられているはずの意味をいま一つ自分のものにすることができないままに使っているような気がしておりました。最近、有識者のコメントの中に、「協働のまちづくり」から一歩進んで「共創のまちづくり」へ進めていこうとの表現がありました。
「新しい公共」とはまさにこのことであります。篠栗町の新しい個性の創造を住民の皆様と共に形にしていく作業こそ、これから私ども行政が取り組んでいかなければならないことであると確信するにいたりました。今後は「共創のまちづくり」を皆さんと共に進めてまいりたいと考えております。

以上、最近の諸情勢報告をいたしました。
議会におかれましても今後ともご協力賜わりますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。


(平成25年12月9日)