平成25年 第3回定例会閉会挨拶


平成25年第3回定例会の閉会にあたりご挨拶申し上げます。
長期間にわたる審議、どうもありがとうございました。
平成24年度決算の認定や、平成25年度補正予算など、上程いたしました16議案すべてについて可決いただきましたことに感謝いたします。

第3回定例会会期中の9月12日に私は、第24回福岡アジア文化賞授賞式に出席いたしました。
福岡は、古くから日本の窓口として、アジア諸地域との交流において重要な役割を担ってきました。このような福岡の特性を踏まえて、アジア地域の優れた文化の振興と相互理解および平和に貢献するため、1990年に福岡市、学会、民間が一体となって福岡アジア文化賞が創設されたことは皆様よくご承知のことと思います。今年度の大賞は、篠栗町からも国際交流に役立てばとの思いで毎年寄付を続けているペシャワール会の代表、中村哲先生に贈られました。
中村哲先生は、パキスタンとアフガニスタンで、30年にわたり患者、弱者のための医療や、開拓・灌漑(かんがい)設備などの民生支援の活動を続けてこられました。現地での経験に基づく深い思索と発言・著作は、異文化の理解と尊重を求め、真の平和構築を目指す知的営為として、国際的に高く評価されております。
先生が代表を務められているペシャワール会のホームページを開くと、一番に「誰もが押し寄せるところなら誰かが行く。誰も行かないところこそ、我々は必要とされる」の言葉が飛び込んできます。そうした、この言葉を読んだ誰の心をも揺さぶるような絶対的使命感のもとに、30年間、そしてこれからも現地活動を続けられる先生のお姿には感動を覚えずにはいられません。
受賞のインタビューで、「先生の30年にわたる現地での活動を導く原動力は何か?」との質問に、「私の活動の原点は2つある。義理と人情と、もう1つは人間としての心意気」と誠にさわやかな笑顔でお答えになったことが大変印象的でした。30年間医師として、またフィールドワークを続けられている一人の人類学者として大変尊敬いたします。そして今回の大賞受賞を心からお祝いいたします。

さて、平成24年度決算の認定を受けました。一般会計決算の総括をしますと、経常収支比率は、88.0%と昨年より1.0ポイント改善いたしました。しかし、昨年も申し上げましたように、目標とする80%台半ばまでの道のりは険しいものがあります。平成25年度以降も、限られた財源を有効に、そして効率的に配分し、さらなる健全財政を目指してまいりたいと考えております。
また、0.502と糟屋地区他市町より低い財政力指数を何としても地区内平均値(0.669)まで底上げしたいとの思いを強くしております。単純計算しても、自主財源を10億円以上継続的に上乗せできていかないと、つまりその程度の税収等の増加を見込めるような政策を打っていかないと、財政力指数はそこまで改善できません。現在進めております都市計画マスタープランの見直しや篠栗町の個性を創造するための各事業の成果の積み重ねの先に結果としてついてくるように、具体的な長期ビジョンを今後お示ししたいと考えております。
地方分権が一段と進展するこれからの時代、町の個性をいかにして創るかがこれからのまちづくりのキーポイントであるといっても過言ではありません。度々申し上げておりますが、これまで長い期間そうであったように、他の自治体がやっているとおりの護送船団方式の自治体運営が行われ、横並びこそよしとする時代は早晩終焉(しゅうえん)を迎えます。これからはいかにして個性を創造するか、そしてそれに向かって考え、行動していくなかに、職員も住民もいかに喜びを感じることができるかが大事なポイントであると考えます。このことを私は、昨年の第3回定例会閉会挨拶のなかで21世紀型の「新しい公共」であると申し上げました。しかし、この概念は、自分で話していながら少し抽象的で難しいなと正直思っておりました。

そうした試行錯誤のなか見つけたヒントが、地方分権の父ともいえる西尾勝先生の近著「自治・分権再考-地方自治を志す人たちへ-」の一節です。
「『まちづくりは、市区町村の役所・役場が行うもの』という固定観念を捨てなければならない。住民も職員も誤解しているのであるが、『まちづくりはまちぐるみで行うもの、そうでなければ決して成功しないもの』というように、発想を改めるべきなのである」と書かれてあります。
本定例会諸情勢報告で申し上げた内容を繰り返しますが、「自治」とは、そして「まちづくり」とは、と自問を繰り返し、地域の諸課題に対する自治体としての町の対応が間違った方向に踏み外さないように、地域住民の真のニーズを、できるだけ迅速機敏に察知し対応できる自治を目指して進めていく。併せて自治体概念の限界を取り払うべく「まちづくりはまちぐるみで行ってこそ成功する」との信念を持つことの重要さをかみしめながら、町民の皆様の心に火をつけ、そして、またそうした思いの町民の皆様によって町職員の心にも火がつき、その炎が燃え盛っていく、そうした篠栗町にしてまいりたいと考えております。

先ほど議員の皆様において決議された点も含め、行政、議会が、憲法の定めるところによる「全体の奉仕者である」との自覚の下に、九州の、福岡の篠栗町ここにありとの思いで、今後も、ともに諸課題に取り組んでいかなければならないと考えております。
これからの時代、私も議会議員の皆様も篠栗町のさらなる発展のためにともに汗をかく仲間として、町民の皆様から選挙で選ばれたからには、中村哲先生のお言葉にもあったように、「人間としての心意気」を見せていこうではありませんか。
今後ともよろしくお願いいたします。

これをもちまして、平成25年議会第3回定例会の閉会のご挨拶とさせていただきます。
皆様、長期間のご審議ありがとうございました。


(平成25年9月20日)