権現(ごんげん)様の投げ石


権現様の投げ石イラスト

昔、昔、博多湾の沖の方に、鬼どもが住んでいて、ときどき博多に来ては悪いことをして、人々を困らせていました。
この鬼どもが、博多湾の中に、あと一つ二つの島があれば博多にあがりやすいから、どこかの山を持って来よう、と思い立ちました。そこで若杉山の麓(ふもと)の山を盗むことに決めると、大きな負子(おうこ)(荷担棒)を二つの山に突き刺して肩に担いで運び出していました。
これを見られた太祖(たいそ)様は「この山を盗むとは何事か、その山を置いて行け」と、若杉山の頂きから大きな石を鬼の足元めがけ三つ投げられると、唸(うな)りをあげて飛んで来た石は鬼の足元に落ちました。鬼は「この石があたったら大変」と驚いて、担いでいた山をそこへ放り出して逃げました。この山が、篠栗町の西の入口にある焼地山と丸山の二つだと言われています。
ところが昭和の大戦後、この邪魔な石は東南の畦道(あぜみち)に移され、和田区に行く道の西側の屋敷のブロック塀の外に置かれています。誰か祭っているらしく、竹の花筒に神柴が捧げられています。
二つめの投げられた石は、JR篠栗線の和田踏切から北へ約100メートル行き、7メートル幅の大きな農道と交差した処から西に約160メートル行った南側の字、幸町の水田のまん中にあったのを、耕地整理の邪魔になるので水田の一隅に移され、後日その水田の北西の農道に面した現在の処に、周囲を高さ10センチメートルのコンクリートで囲んで置かれています。
毎年春のお彼岸の入りには僧侶を招いて手あつい供養が続けられています。
なお、三つめの石の所在は不明です。

『篠栗町誌(民俗編)』「権現様の投げ石」より


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